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勝手にしやがれHeyしすたー

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ハードボイルド香港


   以下の文章は、
   「友は風の彼方に」・「狼」(男たちの挽歌・最終章)
   ・「ハードボイルド」(男たちの挽歌2)・「レザボア・ドックス」
   などなどの映画のネタバレになりますので(そんなに激しくないとは思うけど)、
   未見で知りたくない人は読まないでください。



ハードボイルド香港




   私の大好きな香港映画(特に80年代あたり)での、ありがちな
   パターンというのが、

   「おとり捜査」

   ありがちなシーンというのが、

   「銃突き付け合って硬直」(2人、3人のばやいもあり)

   おとり捜査が話に取り入れられるのは、本当に多い。
   刑事が正体を隠して、マフィアに潜入というパターン。
   またーーーと呆れ返りつつ、香港映画ほど、このシチュエーションが
   萌えるものはない。
   しびれるううううう。
   二番煎じだろうと三番煎じだろうと、くらくらくるもんはくるのよ。


   これらの走りの最初は、リンゴ・ラム監督の「友は風の彼方に」だと
   思う。
   おとり捜査専門に使われている男がユンファ兄貴。
   マフィアのメンバーの一人が、ダニー・リー。
   ダニー・リーという俳優さんは、私的に好きでも嫌いでもないのだが、
   ユンファ兄貴と銃を突き付け合うのが、これほど似合う男も他にいない。

   この作品がなかったら、ジョン・ウーの挽歌シリーズの数々の名場面も
   ひょっとしたら産まれなかったかも??

   この2人、のちにウー監督の
   (私的に最高傑作・たとえレスリーが出てなくとも)「狼」で、再び
   銃突き付け合いをやるが、(こちらはおとり捜査ねたではない)
   これまたかっこよすぎるうう。
   これほど救いなく、のおおおおおおおおおーーーーーと、叫びだしたく
   なる映画も他にない。
   みっしょん・いんぽしぶるぅぅ???? なにそれ?(すんません)

   あと、おとり捜査ねたの傑作といえば、「ハードボイルド」
   ユンファ兄貴が刑事、トニー・レオンがマフィアに潜入している刑事で、
   この2人の物語なのだが、私にとって好きでも嫌いでも、のはずのトニーが
   ユンファ兄貴を食うくらい、かっこよくって仕方ない。

    これと狼を初めて観た、大学生のときは(確か深夜テレビで)、
   自分が書きたいと思ってたことを、さらにかっこよくしたのを、
   見せ付けられたようで、

   くそっくそっくっそぅぅぅぅーーーー!!!!(言葉づかい悪く失礼)

   と、本気で地団駄踏んで、悔しがったもんである。


   ところで。

   「レザボア・ドックス」という映画。
   こちらは「観た」という人、けっこういるのではあるまいか。
   私は、どっかのサイトで、「男たちがかっこいい映画」とかいう解説
   を見て(笑)、興味を引かれ、レンタルビデオで観てみたのです。

   で、口ぱっかんになって、驚いた。

   これ、友は風の彼方にじゃん!!!
   えええええええ、いいのおーーーー????

   まあここまでやってる以上、許可取ってるだろうし、いいんだろうけど。
   しかし。いやあああびっくりしたーーー。

   確かに、「友は」を知らずに「レザボア」を観たら、私は
   「ひょえーーかっこえーー」と思っただけだろう。
   私にとって、「レザボア」も、好きな映画、ではある。
   この2作品、単純に比較してみると、「レザボア」のが洗練されている。
   話の流れもスムーズだし、無駄も少なく、それぞれのキャラクターの
   書かれ方もうまい。

   対して「友は」は、香港映画特有の無駄の多さ、無茶な展開はあるし
   (そこが好きなんだが、はは)、野暮ったさも否めない。
   しかしこの無駄の多さで、キャラクターがどんなやつなのかが自然に
   入ってきて、感情移入をいつのまにかしてて、ラストの悲壮感が
   泣きたくなるほど大きいのである。
   「レザボア」は、若干ラストが軽い。(と、思う)

   それに白人さんたちが「銃突き付け合って硬直」というのに、どうも
   違和感が。
   偏見だけども、銃構えたと同時に、弾飛び出すって感じしちゃうし。


   引き金を引こうとして引けない。
   そんな気持ちの鬩ぎ合い。
   美しくもある三つ巴シーンは、東洋人に許された(でなければ香港人)
   特権であるような気がする。


   レザボアをかっこいい!と思い、友はを未見の方は、ぜひとも一度
   観て欲しい。
   そんなことを思うわたくしであります。


   (03・09・11)


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